家族のための家
家族の構成は施主によって様々ですし、生活観や教育観も家庭それぞれだと思います。
設計者の理想をごり押しするような事はしませんが、
家作りをするにあたって理想とするイメージはあります。

■ 空間の一体化
・ 敷地の制約などで、戸建住宅は2階建て
又は3階建てになることが多いと思いますが、
上下の階で完全に空間が分かれがちですね。
2世帯住宅や店舗兼用住宅など
時にはそれが有効な場合もありますが、
一般家庭の場合誰がどこにいるのかも
分からないようなプランは寂しいですよね。
1階で名前を呼べば2階でも答えられるような
家全体が一体となった空間構成が好きです。

(光熱費がかさまないように家全体での断熱、
輻射暖房の利用、空気の循環などに工夫をします)
■ リビングを通る個室動線
・ 最近でも住宅で主流なのは玄関から入って、
廊下を通って各個室に続くプランだと思いますが、
誰が帰ってきたのかも分からないような家は
これまた寂しいと思います。
ですから私はリビングを通らないと各個室にいけないような
プランを好んでします(そうじゃない方がいいケースもあります)。
そうする事で廊下分の面積をリビングに振り分けて、
より大きくも使えます。


←2階の各個室に行くには1階リビングに面した
階段を通らなければなりません。
家族で過ごす中心がリビングなので、
そこを通って各個室に行くと言うのが
自然な動線だと思っています。

また、LDKに階段を設けると自動的に吹き抜けもできますし
面積の節約にもなります。
(階段の分平面的にも高さ的にもLDKが広くなったように錯覚します^^)
■ 家族構成の変化に対応できるプラン
・ 木造であっても大切に使えば家の寿命は50年以上は
軽くいけると思っています。
その間には、もちろん住まい手の家族構成も
様々に変化していく事と思います。
時には大規模なリフォームが必要になる事もあると思いますが、
それを見越して内部の間取りは変更しやすく、
何らかの仕掛けをしておくといいと思います。

←お子さんが多い場合は大きな子供部屋を一室作って
家具で間仕切れば後でどうにでもなります^^。
日本の木造住宅は、地震の力を
壁で受けると言う考え方ですが、
外壁を全て構造壁で固めて、内部の壁は
比較的自由に動かせるように心がけています。
建具はなるべく天井までのものにします。
そうすることで、開放したときには部屋と部屋の
空間が一体化します。

リフォームをしなくても、
色々なバリエーションで使えると思います。
将来的な車椅子での生活にも対応できます。
天井のラインが通って初めて視覚的感覚的に
一続きの空間という感じがすると思います。
収納で間仕切った便所は、将来は拡張して
介護者も入れる大きな空間にできます。