熊本下通りアーケードデザインコンペ
熊本は下通りで、アーケードの老朽化に伴う改修のデザインコンペがありました。

下通りアーケードは大きくてガランとしていて・・・というイメージしか無いんですが、
縦にも横にもそうして高さも分節してもっとヒューマンスケールにしたらどうかという提案です。

時間の関係で構造や法的根拠の詰めが甘いのは認識しつつ、地元九州で活動するからにはこういう機会には、
参加すべきだろうという考えで、有志3人で無理やり提出してしまいました^^;。



寛永6〜8年(1629〜31)頃の「熊本屋鋪割下絵図」には下通が既に描かれており、
三年坂通付近で折れ曲がる様子まで見て取れる。
須戸口門から厩橋を渡って繋がる道を直角に曲がるかたちで下通が始まっているのは
今も昔も変わりなく、当時から要の通りであったことは想像に難くない。
戦後幅員9m道路の両側3mの歩道のみに屋根がかかり、その後全蓋式のアーケード
になったわけだが、車道スケールのままアーケード化したことで非常にスケールの大きな
空間を手に入れることが出来た。しかし一方では、ややヒューマンスケールからははみ出
てしまった感もある。
歩行の場であるアーケードは、手を伸ばせば全てに触れられるような人に近い空間で
あってもいいのではないか。
また、その発展過程から考えれば近年のアーケード再整備でよく見られるような、
ヨーロッパのパサージュのデザインエレメントをそのまま移植するデザイン手法はそぐわない。
近代化で失われた日本的なものを取り戻すべく、通りの幅方向・奥行き方向及び高さ方向に
空間を分節して、元来持っていた通りとしての人に近い存在に引き戻すことを提案する。
もとが大空間であるからこそ可能になる分節化もあると考える。
木造の架構から落ちる光で時間を感じ、2階レベルまであがることで遊歩を誘う空間とし、
その下には店から溢れ出した商品が並び、通路と店舗の境界をあいまいにする。
階段に囲まれた地盤レベルは、いくつものたまりを創り出し日常生活の延長の場となる。